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「なるはずないよ! むしろ……光栄っていうか、何て言うか……」
私の好きな人は、こんなに素敵な人なんだよって。
世界中の人に教えてあげたいくらいなのに……。
そんな私の馬鹿な考えにも、風見君は優しく笑いかけてくれる。
「そうだ……風見君は、進路どうするの? もしかして東大とか?」
「……そこまで頭良くないから。唯、過大評価しすぎ。」
「だって……」
私からすれば、風見君の頭脳は計り知れないくらいなのに。
1時間悩んでも解けない問題を、彼はいとも簡単に正解へと導きだしてしまうのだから。
「風見君は、学校の先生とか似合っているかも! 私に教えるのも凄く上手だし。」
「そう?」
「頭が良いから研究者とかも良いかも。ロボットとか発明するの。」
頭がよければ、未来への可能性は広がる。
雅さんが頑なに『将来のために勉強はしっかりしておきなさい』と言っていた意味が、今になって漸く分かった。
「俺……やりたいことは今でも、変わらないよ。
キッカケは彩月じゃないって言ったら嘘になるけれど……。
でも、他にやりたいこともないから、進んでみようかと思っている。」
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