4109人が本棚に入れています
本棚に追加
.
自分の彼氏のことを、普通の人はどれくらい家族に話すものなのだろう……。
その基準が分からないから、ついつい聞いて欲しくて話してしまう。
「雅さん……。」
「ん?」
「私ね、ピアノ頑張るから……。」
「え……?」
「好きなことを夢にできるって格好いいって……風見君がそう言ってくれたから、これからも絶対に続けようって決めたの。」
「ぷっ……単純。ま、それが唯の良いところだもんね。」
そう言って、優しい笑顔を向けてくれるから……心が温かくなる。
雅さんになら、話してもいいかな。
颯とのこと……。
「……あのね、相談が……あるんだけど。」
「相談? ピアノのこと?」
「そうじゃなくて、颯のこと……。」
「はーちゃんのこと?」
雅さんが、疑問を抱くのは仕方ないことだ。
でも私には、この悩みを他に話せる人がいない。
.
最初のコメントを投稿しよう!