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. ゴールデンウィークの3連休の初日。 地元から飛行機に揺られること数時間、私が降り立ったのは、17年ぶりの空の下。 行き交う人波の中、案内図を頼りに電車の駅を探していると、一通のメールが届く。 ―― 迷わずに来れそう? いや……もう、既に迷子状態だ。 さっきから同じところを何度も行ったり来たりしている自分は、本当に田舎者なのだと痛感する。 私……東京で、生活なんて出来るのかな。 迷子になりかけていることを正直に言うと、1分も経たないうちに返事がくる。 ―― 1時間くらい、そこで待っていられる? 俺そっちに行くから。 風見君からの連絡に、安堵の余りに涙が出そうになるくらいだった。 でも、忙しいのに……申し訳ないことしちゃったかな。 連休を利用して、帰省がてらに大学の下見に東京に戻った風見君。 そして、そんな彼に誘われて、後を追って1人で東京に来てしまった私。 別に、彼との東京デートが目的だったわけではない。 それはオマケということで、本来の理由は私も同じなのだから。 私たちは、お互いの夢を叶える第一歩を、踏み出そうとしている。 そのスタート地点が、たまたま同じ『東京』というだけだ。 .
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