【17】 accidental reunion

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. 決意表明を掲げた百香は、肩の荷が下りたかのようにホッと一息入れて、水を飲んだ。 そして、思い出したかのように私に問いかけてきた。 「唯も、たまには思い出したりするの?」 「何を?」 「風見君のこととか……さ。」 百香が久しぶりに口にしたその名前に、私は冷静を装う。 下手に饒舌に否定なんてして、意識しているとも思われたくないし、無難な言葉を選んだ。 「どうだろ……もう、随分と前のことだしね。」 「そっか。高校卒業くらいの時だから……8年?そりゃあ私たちも歳をとるよね。」 「そうだね。最近、毎朝の雪掻きがキツくて……筋肉痛が治らないもん。」 「それ、わかるー!」 百香が話を逸らしてくれたので、それ以上は何も言わなかった。 話すようなことも何もないし。 彼とのことは、百香がいちばん知ってくれているから。 でも……私は、百香に嘘を吐いた。 曖昧な言葉で、自分の本音から逃げた。 私も百香のように全てを曝け出して、前を進む勇気が持てたら……何かが変わるのだろうか。 けれども、私は――― 会いたくない。 彼が好きだと言ってくれたピアノを弾けなくなった今の自分。 私が彼にしてあげられることは、もう何もないから。 .
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