【23】 promise

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. お互いの姿を確認しながら、今ここにある現実に目を向ける。 こんなことが有り得るのだろうか……。 この街に着いたのは、ついさっきのこと。 繁華街から徒歩圏内で近かったという理由だけで、ただ立ち寄ってみただけだった。 彼女との――― 唯との思い出に触れられる場所だと思ったから。 札幌より幾分か肌寒い風を感じながら、それでも当時の記憶は胸の奥を温めてくれる。 それだけでも、ここへ来てよかったと心から思っていたのに……。 「……どうして?」 「え……?」 「どうして、ここにいるの?」 大きく目を見開いた唯は、少し声を震わせながら訊いてくる。 驚いたときの彼女の仕草は、昔と少しも変わっていない。 「……ここには、思い出が沢山詰まっているから。」 「……。」 「俺にとって、この先もずっと大切にしていたい思い出だから………」 「そっか……私と、同じだね。」 そう言って、唯が目の前にやってきた。 8年という月日で、目が離せなくなるくらいに綺麗な女性へと変わった彼女に、尋常ではないくらい鼓動が増す。 .
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