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「何って…」 馬鹿にしたような笑いにすら、あたしの心臓は跳ねる。意味わかんない。 「わかってんだろ」 「…な、何がよ!」 空き教室に男子と二人っきり、この状況も冷静さを奪う要因。受け答えが全部、怒ってるみたいになっちゃう。 「わかってるくせに~」 そう言って軽く笑ったかと思えば、突如松田の顔が急接近。心臓が跳びはねた。 息がかかる程の距離。 キスができる程の……、 「キス」 わずか5cm先で、松田の薄い唇が動く。 「キ、キスが何よ!!」 机にもたれ掛かり、のけ反る体を震える腕で支え、必死で耐える。ほぼ押し倒された状態。 もう、平常心なんか糞喰らえ。何も考えずに喋ってる。 余裕の表情の松田が憎らしい。
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