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憂鬱な朝。 あー昨日のこと、あたしと松田だって気付かなかったってオチは…。 いや、ないね。だって、下駄箱からずっと、生徒の視線を痛いぐらい感じてます。 あたしを指差しながらのヒソヒソ話の端々に、松田と言う名前が上がってるのも、聞こえてる。 「へー、あの子が…」 「意外…」 「松田君と…」 ああぁぁぁ。あたしは何もしてないのに…。 最大の難所は、教室。何たって、あたしと松田は同じクラス。 ふぅ、と一息ついて開けた扉は、いつもより重い気がした。 ―――ガラッ 何人かがこっちを向き、一瞬表情が輝いた。あっそ、やっぱ皆知ってんのね。 今日一日のことを考えると、胃がチクチクする…。
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