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「すげぇ…」
自転車から降りて、沙耶の口から零れ落ちた驚き。
15階建てのデザイナーズマンションを、ぽかんと見上げた。
さっきから何度も周辺をぐるぐると回っていたが、まさかこれだったとは。
「自転車置き場ってどこだよ…」
沙耶は頭を振り振り、とりあえずそこらへんに停めて、中へ入ろうとした。
24時間セキュリティーだというこのマンションには、管理人が常在しているらしいので、訊ねてみようと考えたのだ。
だが。
「地下にありますけど、玄関に置いておいても良いと思いますよ。」
第三者の介入により、問題は速攻で片付いた。
「坂月、さん…なんでここに…」
「やぁっと来たか!姉ちゃん、マジここすげぇよ!」
神出鬼没の坂月が、駿と一緒にエントランスから出てきた所だった。
「おかえりなさい。時間外のお仕事お疲れ様でした。」
狼狽える沙耶に坂月が飄々と頭を下げた。
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