思い出は思い出のままで

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「-外出禁止?」 客人を出迎える為玄関を出た直後、言われた言葉に、沙耶は固まった。 「あ、いえ。外出禁止、ではなくて、自宅待機です。」 坂月がお見舞いのお花と茶菓子を手に提げながら、首をふるふると横に振って、社長命令を言い直す。 「にしたって…話には聞いてましたけど…ひどいですね…、まさか秋元さん、、そんなんで出勤しようと思ったんですか?」 沙耶のスーツ姿に、坂月の下がっていた眉がさらに下がる。 「えっ…そりゃまぁ…だって大丈夫ですよ!全然ぴんぴんしてますから!ほら!」 と、言いつつも、左腕はちっとも動かせず、説得力はゼロだ。 「病院、、、ちょっと目を離した隙に逃げ出したって、社長が大層ご立腹でしたけど…ちゃんと検査した方が良いと思いますよ。なんなら私が連れて行きますから。。。」 「う。」 思い当たることが沢山ありすぎて、沙耶は目線をあらぬ方向へとずらす。
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