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私は、その噂と人々が協力しない理由の関係をガルシアさんに聞いた。
ガルシアさんは、面倒くさそうに答え始める。
「説明するのもだるいなー。 あのな! その道具を持てば世界を手に入れられるかもしれないんだぞ!! つまり、ギルドを倒しそれを手に入れれば世界を支配できるかもしれないんだ!! だから、他の人と協力なんてする奴はあまりいねーんだよ。 特に力を持つ者ほどな」
ええっそれじゃあ私はどうしたらいいの??
他の人がギルドを倒すまで逃げ続けなければならないの??
そんなの無理だよ。
打つ手がないと分かった私は、改めて死への恐怖に苛まれた。
リッパーさんは私が俯いていることに気づくと、話しかけはじめた。
「大丈夫、セナを巻き込ませたいじょう、僕らは君を死なせたりはしない。 それに、僕らもギルドに追われている身だ。 お互い助け合おうよ」
…………たしかにそうだ。
ガルシアさんは知らないけどリッパーさんは少なくとも私と同じあの扉を通っている。
「でもどうしてリッパーさんは分かっていてあの扉を通ったんですか?」
リッパーさんは少し黙った後、答えはじめた。
「僕らは、ある罪ですでに指名手配犯なんだ。 だから、それくらいの犯罪行為をすることに躊躇いもしない」
ある罪って…………?
リッパーさんが言い終わるとガルシアさんが何かに気づいたのか、急に窓の方を睨んだ。
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