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「いったいなあ、もう。」
「かっこわるいね、クロウリー。」
「うるせー。」
「君はいつもそうやってかっこ悪い。お姉さんを見習いなさい、クロウリー。」
そういってハナは胸を張る。ない胸を精一杯強調する。
「逃げていただけじゃないか、俺を囮に。」
「そりゃあそうだよ、こわいもの。先生方、あれは本気の目立ったね。」
クロウリーは鎖でがんじがらめに縛られていた。
今これからこの学園では入学式が始まるというのに。
「後輩が、たくさん入ってきたよ。クロウリー。」
「そうみたいだな。おかげで朝からたくさん注意されてしまったよ。先生方に何もするなと釘を刺された。ついでに鎖で縛られた。」
「君は問題児だからなあ。クロウリー。」
「むっ、行事ごとで何かしでかした覚えはないぞ。こう見えて空気は読むんだ。一生に一度しかない舞台を荒らして回る趣味はない。」
なぜか一年生用のローブを着ていることであるとか、先生に有無を言わさず縛り上げられていることから推察するに、すでに『何かしでかした』後なのは間違いないのだが、ハナはそれには触れなかった。
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