第1話

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「いったいなあ、もう。」 「かっこわるいね、クロウリー。」 「うるせー。」 「君はいつもそうやってかっこ悪い。お姉さんを見習いなさい、クロウリー。」 そういってハナは胸を張る。ない胸を精一杯強調する。 「逃げていただけじゃないか、俺を囮に。」 「そりゃあそうだよ、こわいもの。先生方、あれは本気の目立ったね。」 クロウリーは鎖でがんじがらめに縛られていた。 今これからこの学園では入学式が始まるというのに。 「後輩が、たくさん入ってきたよ。クロウリー。」 「そうみたいだな。おかげで朝からたくさん注意されてしまったよ。先生方に何もするなと釘を刺された。ついでに鎖で縛られた。」 「君は問題児だからなあ。クロウリー。」 「むっ、行事ごとで何かしでかした覚えはないぞ。こう見えて空気は読むんだ。一生に一度しかない舞台を荒らして回る趣味はない。」 なぜか一年生用のローブを着ていることであるとか、先生に有無を言わさず縛り上げられていることから推察するに、すでに『何かしでかした』後なのは間違いないのだが、ハナはそれには触れなかった。
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