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「……――レン
――――――カレン起きて」
頭の中に反響する聞き慣れた声に
肩を軽く叩かれ目を覚ます彼女。
腕を解き、顔を上げるとうっすらと閉じていた瞳を開く。掛かった前髪をピンクのネイルをした白い手で直すと隠れていた彼女の顔が露になる。長い睫毛にアメジストを思わせる紫色の瞳が長く胸まで伸びる桃色の髪によく映える。
「ごめんフレイヤ。私、眠ってたみたいね……。てか最初のアップが寝起きって何よ」
カレンは手具しで髪を直しながら話す。その相手の名前はフレイヤと言い、カレンの相談役である。
「おはようカレン。最近顔色良くないけど、夜眠れてないの?」
フレイヤはカレンを起こすと何処か疲れているようなカレンの事を気遣い尋ねてみる。
「うん……夢ばっかりですぐ起きちゃうから良く眠れてないかも」
カレンは机に右肘を付くと前髪を手で押さえながら隣に立っているフレイヤに返事をする。
「また妹さんの夢……?」
「そう、ルビアの夢……」
フレイヤの問いに睫毛を伏せる元気の無いカレンにフレイヤは何かしてあげれないかと顎の下に手を置き考える。何かをピンとひらめいたフレイヤは冷蔵庫に向かう。
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