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そして出会ってしまった。
……――――その男と。
「見付けたぞ!
カレン=ジュリー=ローレンツ!大人しくお縄になってもらう!」
人目の付かない路地裏に、突如と現れカレンの周りを取り囲むのは全身黒付く目の三人、否一人遅れて現れたがその一人はまだ近付いては来ない。
声を聞くからに男と思われる。
カレンを取り囲み様子を伺う全身黒付く目の四人は目の部位に穴の空いた白い仮面を着けていた。
「初代支持者ね……」
カレンは腰に着けていた刀を手に取ると左手に鞘を持ち右手でゆっくりと白亜の鞘を抜く、スルリと抜けた刀は白銀の光を放つ。自身の前後を取り囲む黒付く目の四人の姿を前と後ろに気を張らせて刀を構える桃髪の女性――カレン
「氷帝の刀、そいつが氷河楼宴刀(ひょうがろうえんとう)か……。面白い、我らが相手となるっ!」
前方左の仮面の男が言葉を放つと前方右と後方に居た仮面の男達がカレンに襲い掛かる。
カレンは素早く刀を交えながらひとり、またひとりと峰打ちで黒付く目の者達を斬り、カレンが三人目を見つめると刀を構え斬りかかって来て、透かさず刀で素早く交わしながら引けずを取らず白銀の刃の音だけが静かな路地裏に響く、やがて隙を突かれたのは三人目の仮面の男、一番最初に話した奴だ。カレンの間合いの速さが上回り仮面の男の仮面が綺麗に縦へと真っ二つに割れた。男は腰を抜かす、するとずっと黙っていた前方の黒付く目が仮面を外した。
「……流石だな。
流石はアレクシアネット(異剣士)父上が惚れるのも納得がいく」
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