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「私がした事で全ての人が救われたなんて思っていない。あなたの言うように初代に尽くしてきた人達の生活を奴.隷達の自由と引き換えに私は奪った。
初代の傍で格差社会を繋いで来た支持者には恨まれて当然の事。
それでも私が護りたかったのは
ひとりの存在なんです。
ひとりの存在は一つの命、初代に飼われていた奴.隷達の生活を奪った初代は許される存在なんでしょうか。私は思いますよ、誰かを恨む者は誰かに恨まれていると。
恨みだけでは勝てない。
私は大切な家族を奪った初代を恨みました。どんな時も心から頼れるひとりの存在が皆さんにとっての家族なんですよ。
そのひとりの存在を大事にしなかった初代に付いて苦しむ奴.隷達を助けなかった者が自らの生活を奪われただなんて言えますかね。
初代は奴.隷達を家畜と言った。
人は他の生き物と言葉が通じない
それでも人間や動物には嬉しいとか怖いとか、痛いと言う気持ちは生き物全てにあると思うんです。
私は一つの命を大事にしたい、
その命は繋がれてきた命なんです
その命を私利私欲の為に罪の無い人々から奪うのならばあなた達を私は容赦はしません。
――それが私の戦う理由です。」
カレンは桃色の髪を風に揺らし、アメジストの様な紫の瞳はその先に立つアベルを見つめている。
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