122人が本棚に入れています
本棚に追加
「……興が冷めた。
勘違いするな、お前の命は俺の手の内にある。初代支持者がお前を狙い続ける事は変わりねぇ」
「退くぞ、倒れてるソイツを連れて来い」
アベルがカレンとの対決を退く、黒付く目の部下二人に地面に倒れている男を連れて来いと命じると、その男が飛び起きた。
「俺は納得できねぇ!!
この女が居るだけで腹の虫が収まらねぇ!!ナメやがって!!」
カレンとアベルの間に割って入るのは起き上がった黒付く目の男、先程カレンに敗れて仮面を真っ二つにされ気を失っていた男だ。
男は怒りの感情に力一杯に剣を握るとカレンに斬りかかろうと地面を駆け出す。
その場を退こうとしたアベルは驚き振り返り、他の部下二人も一人の暴走に立ち尽くす。
カレンは左腰の刀を抜こうと手をかざすが、その瞬間後ろから自分を呼ぶ声が飛ぶ。
「カレンさん!よけてぇーっ!!デットスパイク!!」
カレンは瞬時に身体を横に向けると、目の前を茶色い靴が風を斬り一直線に男の顔面に命中する。
男は悲痛を上げ握っていた剣を落とす、地面に尻餅を付き鼻に手をやると目を見開いて手に付いた血に震え再び気を失った。
目を点にするアベルと黒付く目のその部下二人。
カレンは一言呟く。
「……ストライク」
最初のコメントを投稿しよう!