122人が本棚に入れています
本棚に追加
カレンが声のした後ろを見つめると、そこには外ハネヘアーの銀髪にエメラルドの様な瞳、背格好は小さいが深紅のジャケットに紺のショートパンツ姿の右足の靴が無い少女とその横には茶色いコートに身を包み黒の髪を靡かせた色白の女性が黒真珠の様な瞳にカレンを映して腕を組み立って居る。
「やれやれ……初代支持者も堕ちたもんだね、アベル皇子?」
突然の珍入者に呆然とした雰囲気の中、カレンにとっては聞き慣れた、抑揚のないひどく特徴的な声音でアベルの名を呼びながらジャケットの女性の横で話す女性。
「トウコ、エレナさん……」
カレンは駆け付けた二人の名前を呟く。
「なんだと!!アベル皇子を愚弄するのか!!俺達が相手だ!!」
黒髪の女性、トウコの言葉に腹を立てた黒付く目の男。
「ああ、何?戦うつもりはないよ"私"はね。
……下がってな、カレン。アレはアホで愚鈍だが、フレイヤの万倍は強い」
数多くの修羅場を潜り抜けたからこその余裕なのだろう、黒付く目の男の威嚇をさらりと受け流せば自分は干渉しないよと意味深な笑みを浮かべ、カレンの隣に歩み寄れば自分よりも後ろに居るよう告げ、エレナをみれば頭脳はともかく純粋な戦いのみであればカレンが信頼を寄せているフレイヤよりも強いと告げるトウコ。
最初のコメントを投稿しよう!