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エレナの魔法に屈した黒付く目の残り二人も地面に倒れて残るのは砂煙の間から見える蒼髪の青年、アベル。
「あれは……フレイヤの
百華繚乱(ひゃっかりょうらん)?」
カレンはエレナが展開させた魔法を見て自分の腹心であるフレイヤの魔法と似ていると思い、ふと思った疑問を隣で見詰めるトウコに問い掛ける。
「ん?ああ…フレイヤの百花繚乱は、元をたどればあの『闇の力』がルーツだからね。
そりゃ似てるさ」
カレンがエレナの術にフレイヤを重ねていればニヤリと笑いタバコに火を点けて、一息つくトウコ。
「…それで、終わり?」
エレナにとってはこれが通過儀礼なのだろうか、黒付く目の軟弱ぶりにため息をついて、そのまま腰に提げた大剣には手もかけずポキポキと拳をならし。
「残りは頭か、安心しろよ。
これで終わらせてやるからよ!!!」
身構えたエレナは強く足を踏み出し、そのままアベルへと肉薄。先程見せた技の正体なのだろう、エレナの左手には鮫の頭を模した闇の魔力が収束しており、その左手をアベルに向け打ち出せば魔力はエレナの手を離れ、超至近距離からアベルへと襲いかかって。
これにはアベルも絶体絶命だ。
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