＊+｡皇帝カレン｡+＊

§＊+｡第１話｡+＊§

しかし妹ルビアは帝国第１師団隊長であったシャドウにより脱獄に成功していた。帝国幹部の騒ぎから奴.隷の何人かが脱獄したことを聞きその中に最愛の妹ルビアも居ると知り自殺を踏みとどまった。約束は果たせなかった、でも妹にはもう会えなくても幸せになってほしいとカレンは想っていた。

帝国第１師団隊長であったシャドウが帝国を裏切り奴.隷を脱獄させたことで帝国内は内乱が起き、"魔力の高い魅力のある強い女"と気に入られたカレンが初代皇帝の命令で第１師団隊長であり皇帝補佐の身分を務めることになった。

どうしたら奴.隷達を解放させて皇帝を倒せるか、カレンはずっと皇帝の隣で考えていた。

――そんな折、
初代皇帝の野心が溢れ出す。

隣国ノイラント王国への奇襲……
ノイラント王国の危機に駆け付けた同盟国アイウィル王国と連合軍を組み、ノイラント王国は隣国のウォーネスト帝国に反撃に攻めいった。皇帝の隣で従うしか何も出来ずに居るカレン、しかしカレンに勇気をくれたのは王国の連合軍としてそのリーダーを務めていたカレンの婚約者との再会だった。

あの時と変わりない彼。

カレンの見つめた先に居たのは
紛れもない、婚約者であった王子だった。