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教授の一言に周りがざわつき始め、慌てて理事長が止めに入った。
「静かにしなさい!秋川君。彼が言ったのは本当かね!?」
と厳しい目つきで修哉をにらみつけた。
修哉はため息をつくと
「彼の言い分は真逆ですよ。彼が私に患者を殺せと命令したんですから」
と言った。すかさず
「でたらめを言うな!私がいつそんな指令を出した!証拠を見せてみろ!」
と教授がどなった。
「ならば、お見せしましょう。まずは、この映像を見てください。」
と修哉は、自前のノーパソに入っている映像を見せた。
「これは?」
と理事長が聞くと
「昨日執刀した患者の奥さんに頼んで朝の一コマを撮影してもらったんです。」
映像には楽しそうに家族と談笑してる患者の絵が映っていた。
「もし、死亡してるならば、この映像は何でしょうか?この光景を見て、まだ患者が死んだと言うのですか?」
と言うと、理事長が
「ふむ、確かに死亡してたなら撮影は絶対不可能だ。」と納得した様子を見た教授は慌てて
「ねつ造だ!この映像は!みなさん!騙されないでください!」
と叫んだ。
修哉はにやけそうになるのを抑えて
「ならば、決定的証拠をお披露目しますか。」と言って瑞穂から預かったレコーダーを取り出した。
「皆さんには、これを聞いてもらいます。そして決めてもらいましょう。本当に査問会議にかけられるべきなのは誰なのかを」
と言って、レコーダーの再生ボタンを押した。
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