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修哉が喫煙所でタバコを吸いながら一息入れてると
「ナイスだったわね。修哉。はい、コーヒー。あたしにも一本貰えるかしら」
と瑞穂が話しかけてきた。
「はいよ。事前に患者さんの家族に協力を頼んどいて良かったよ」
と言いながら瑞穂が取ったタバコに火をつけた。
「あたしの推測通りだったでしょ?」
と得意げに瑞穂が言うと
「ああ、情報を全くの逆にして理事長に伝えてた。俺が続々と証拠を出してく時の教授の慌てようと来たら爆笑ものだったよ。」
と笑いながら修哉が言うと
「あたしもその光景見たかったわね。で、処分はどうなの?命令違反したんだし、おとがめなしとはいかなかったでしょ?」
と瑞穂が少し心配そうに聞いた。
「それが、お咎めなし!むしろ特別賞与を出すとさ」
と良い、瑞穂から貰ったコーヒーに口をつけた。
「へえ、良かったじゃないの。これなら気兼ねなくここを辞められそうね?」と言いながら、瑞穂もコーヒーに口をつけた。
「ああ、親父から継いだ山にログハウスでも建てて小さな診療所でも開くかな」
と修哉はこれからの事を瑞穂に言い、続けて
「瑞穂はここで医者を続けんだろ?」
と聞いた。
すると、瑞穂は
「あたしならついさっき、辞表を出してきたわ。修哉が居ないならここにいる意味もないし」
と言った。
修哉は少し驚きながら
「本当にいいのか?俺に合わせることないんだぞ?」
と言った。
瑞穂は少し厳しめな口調で
「あたしは修哉の彼女よ!修哉がどんな生活してるのか監視する義務があるわ」
と言った。
「それって、ただ会えなくなるのが寂しいだけだろ?」
とニヤニヤしながら修哉が言った途端、瑞穂の顔が茹蛸のように真っ赤になった。
「ちちちち、違うわよ!あくまでも義務よ!義務!」
と慌てて取り繕うが、修哉にはお見通しの様だった。ニヤニヤしながら
「それじゃ、寂しがりやな女王様。まだ仕事があるし、戻りますかね。」と言いすたこらと病棟に戻って行った。
「こら!だからそんなんじゃないって!待ちなさいよー!」
と瑞穂も後を追いかけていった。
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