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外科病棟に戻った修哉は、先日のオペで助手を務めた朝倉を飛び出した。
「何ですか?秋川先生」
と修哉の元に駆け寄ってきた朝倉に
「俺はここを今月いっぱいで辞める。そこで、お前にこれを渡そうと思ってな」
と机の引き出しから使い込んだノートを10冊ほど出した。
朝倉はかなり驚いた様子で
「何故、辞めるんですか!?今回の件はお咎めなしなんだから辞める理由なんてないじゃないですか!?」
と修哉が辞めるのを引き留めていた。
修哉は
「別に今回の件で辞めるとかではない。かなり前から決めていたことだからな。」
と朝倉に諭した。
「でも、先生に辞められたら!ここはどうなるんですか!?」
と朝倉が納得してない様子で言うと
「何の為に、お前を助手にしてきたのか。少しは考えろ。俺だけじゃなくてもこの病院にはエースがたくさんいるだろ。ましてや、俺はお前にセンスがあると確信したから助手に指名したんだ。」
「先生・・・」
「最近のお前はかなり成長してる。場数さえ踏んでいけば俺と同じくらい、もしくは超えることだってできるはずだ」
と修哉が言うと、朝倉が
「先生、分かりました。先生の言葉を胸に刻んでこの病院をリードしていきます!」
と決意を修哉に宣言した。
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