転機

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「それではこれより、心臓バイパス術を始める」 と修哉が号令をかけてオペは開始された。 淡々とオペが進む中で上で瑞穂が見学していると、教授が入ってきた。 「どうだね?手術の進捗状況は」 「いまのとこ順調ですね。このまま行けば成功でしょう」 「そうか。救える命がまた増えるな。フッ・・・ククク」と教授が悪い笑みを零していると、手術室の様子がおかしくなった。 「先生!血圧低下!心室細動です!」 と異常事態が発生したようだった。 「何が起きたの!?」 瑞穂は手術室の様子を把握できていなかった。 教授はその様子を見て 「計画通りだな」 とだけ言うとその場を立ち去った。 「先生、教授がいなくなったようです。」とオペ看が言うと、さっきまでの騒がしさが全くなくなった。 「さっきまでの騒ぎはなに?」 と瑞穂が疑問に思いオペ室に電話すると、助手の朝倉が出た。 「さっきの騒ぎは何なの?」 と瑞穂が聞くと朝倉が 「あれは先生の策略です。ピンチの状態を演出して教授の目を欺いたんです。実際、患者の容体は安定、後は縫合して完了ですよ。」と言った。 「流石、神の手ね。修哉にグッジョブと言っときなさい。」と瑞穂が電話を切り修哉に向けて親指を立てた。
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