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この世界には魔法がある。
科学の進歩のずっと昔から魔法は存在し、僕たちの祖先はそれを肖り、富みとしてきた。
主にその影響を受けたのは宗教であろう。彼らは万能である魔力から様々な恩恵を受け、国を支え、人々を救ってきた。
今の時代でも多くの人がどこかしらの宗教に入っているのもそういった背景、もしくはそういった確かな力が人を集めているのだろう。
しかし、全ての人が魔法を使えるわけではない。むしろ、今の時代に魔法を信じるものなど魔術師以外は皆無だ。
過去の人々は科学現象でも魔法だと奇跡だと崇めていた。知り得ない現象のことを彼らは恐れ、渇望した。その思いが魔法を引き出す要因となり、魔法という存在を確かに心に根付かせた。
しかし、今の時代、大抵のことが科学で証明され、魔法という不確かな物はほぼ科学で証明されるようになり、昔ほど奇跡を信じる者は少なくなった。
それが原因となり人々から魔法の存在を消したというわけではないが、影響を及ぼしたのは間違いない。
遠い時代から魔法は秘匿とされ、人々に知られていなかった。
それは万能の物質である魔力が莫大な力を与え、国力となる。それを秘匿とし、外部に漏らさない要因もあるが、何よりも魔法を使うのは危険を伴う。それが人々が魔法から離れた要因だろう。
例えば、ただの一般人100人が魔術を極めようとしよう。そこから魔術師になれるのは精々2、3人。それ以外は例外なく死に至る。
魔法を人々が避けるのも無理ない。
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