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構築に勤しんでいた纒はふと顔をあげてみる。纒の知らぬ間に授業が終わっていたようだった。
つかの間の休み時間に各々が仲間と話している。ほとんどがさっきの授業のことだろう。
机の上を片付けようとしたところで纒に声がかかった。
「また、マトは変なものに影響されて。授業中に何かやっていると思ったら、またオカルトものを……」
「……あはは」
声をかけてきたのは幼馴染みの藍染 優菜(あいぞめ ゆうな)。栗色のショートカットにくりっとした真ん丸な瞳。身長は最近纒が勝ったので160ちょい。
彼女の着ている制服は白を基調とし、所々に茶色の線で見立てている。スカートも茶色で全体的に明るい印象を与え、同じような色の彼女の髪が際立つ。胸のリボンは二年生である証の緑と洒落た感じだ。
中学二年ともなると大人に近づいて綺麗な子へと成長するが、優菜はまだまだ可愛らしい女の子。成長するはずの胸も……。
そんな彼女だが、男女問わず人気がある。人柄がいいのだ。
どんな人とも別け隔てなく接っする彼女は誰にも好印象。男子の中でも彼女にしたい人として上位らしい。
彼女が好きな纒にとっては恐ろしい事実だが、そんな彼女が好きなのだからと受け止めている。
彼女は昔から変わってない。纒はそんな彼女が好きなんだ。
「マトは趣味への熱意を勉強に向けた方がいいよ。来年受験だよ」
「大丈夫だって、今のままの学力なら大丈夫って先生言ってたし」
「マトは楽観的過ぎるよ。落ちたらどうすんのよ」
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