お見合いパーティー

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嫁さんに なれよだなんて パーティーの サクラに言って しまっていいの 言うまでもなく、俵万智のパロディである。本歌は 嫁さんに なれよだなんて 缶チューハイ 二本で言って しまっていいの これを狂歌として、短歌ジャンルで発表したら、現役の仲人から、今時はサクラなんぞ使わずとも、女性会員過剰だとご指摘をいただいた。 そうなのかと、隔世の感がする。 私が見合いを繰り返していたころは、圧倒的に女性会員不足で、女性会員は、女であるだけで高飛車だった。 女も職業を持ち、結婚しないでいることがステータスで、「翔んでる女」に誰もが憧れていた。 今は、その高飛車のツケが回っているのではないか。 仕事は出来ても、身辺自立が出来ない男が多く、家事一通りは出来る女に対し、包丁も握れぬ男がいたのである。 だから、嫁さん欲しい、は、男の切実な願いだったが、女は、当座食えるだけの仕事があれば、男なしで暮らせたし、また、その方が面倒がなかった。 が、女がそれにつけあがっていた間に、じりじり形成は逆転していた。 身辺自立出来る男が増えたのである。 家事一通りこなせる男を、肉じゃが、オフクロの味では釣れなくなったのである。 これ、余りにひどいと思うのだが、時々、農家に嫁いで、大自然の中で暮らしませんか、という、男性側は、農家の跡取りというお見合いパーティーが開かれることがある。 その席で、結婚後も野良仕事はしないことを結婚条件にあげる女がいる。野良仕事が嫌なら、そもそも、そのテのパーティーに申し込むなよと思う。 お嬢さん方の思惑は、今は田舎だが、将来の市街化が近い近郊農家を見つければ、大地主になれるという物欲である。 見合い結婚は、いくらかの打算はつきものであるが、将来の大地主を狙うなら、そうなるまでは、野良仕事で夫と苦楽をともにする覚悟が必要であろう。 野良仕事は嫌、田んぼがマンションになった暁には、家賃収入は、私にも分けてとは、虫が良すぎる。
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