結局今の女房とは恋愛結婚である

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読者の中には、なぜ司法試験通ったばっかの、まだ若い男が、結婚相談所を使ってまで、結婚を急いだか、怪訝な人もあろう。 実は、私の結婚条件は悪いのである。 まず、私は障碍者である。 色覚障碍と言って、俗にいう、色盲である。 厳密には、青緑色弱と言って、全く色がわからないわけではないが、微妙な色彩は区別がつかない。 私は、障がい者手帳の交付は受けていないが、受ける気になれば7級である。 障碍年金も生活保護も受けていないし、電車バスの割引は3級以上だから、障がい者手帳を持っても、メリットがない。 私は混血である。しかも、おかんは、日本人が最も嫌う、あの国の人である。 だから、金に目が眩んだ娘さんを騙くらかして結婚しようとしたわけである。 金は魔物である。金に目が眩むと、遺伝性疾患は、あくまで確率論であるから、色覚障碍者の二世が必ずしも色覚障碍を背負うわけではない。まさか、障碍宝くじの当たりは引かないだろうと、自らを納得させる。 ちょうど、原発立地交付金に目が眩んだ住民が、まさかチェルノブイリの二の舞は自分に及ばないと勝手に確信できるように。 私は申し込み時に、それを隠してはいない。仲人は、身体条項という欄に、なにやら数字を書き込んだ。 だから、私と見合いした相手は、皆、私が色覚障碍者であることも、日韓ハーフであることも、承知の上である。
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