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***
そして、やって来た今度の休日。
協力できることがあれば言え。なんて言ったけど、正直協力できることがよく分からない。
私に出来る事など無い気がする。
「高良ー、何を着て行けばいいんだ。」
いつも外に出掛けるとすれば、学校か仕事でだ。
それ以外で外に出たのは、…初めて。
さすがにスーツ着ていくようなところに行く訳じゃないだろう。
「申し訳ございません。お嬢様、そちらの白い紙袋の服をお召になって下さい。」
また、男装とかじゃないだろうな。
あんなん、仕事だから出来たんだ。
紙袋を止めてある真ん中についたテープを剥がすと、
「・・・・・・なっ!」
中からフリフリの服が出てきた。
男装よりいくらかマシだけど、
でも、フリフリのワンピースなんか似合わない気がする。
「ところで高良、この格好でどこに行くんだ?」
「申し訳ありません、お嬢様。それは、後ほどお伝えします。」
***
やって来たのは、お洒落なカフェ。
女の子同士でお喋りする者やカップルなどで賑わっている。
高良の視線を辿ると、ふわふわした雰囲気の女性が座っていた。
「痴話喧嘩は、私抜きでしてくれ。」
「いえ、あの女がしつこいだけです。お嬢様、あの者に制裁を。」
「ああ。だが、お前が悪いと判断したら私は退く。」
高良より、5歩ほど下がって付いて行った。
「あ~!宇宙ぁ。やっと来てくれた。やっぱり宇宙の事、諦めれなかったんだ。だから、もう一回やり直して。」
「どういうわけ?悪いけど、もう守りたい人出来たから。」
「えー、それってそこにいる子供のこと?そんな子どもなんて辞めときなよ。我儘だし、歳の差あるし良いことないと思うけどなぁ。」
ふわふわに見えて中身はどす黒い。
上辺だけの良ければそれで良い。
取り繕った自分で相手に認めてもらおう。
そんな中身の濁った奴など、私は嫌いだ。
さあ、どんな裁きがお好みかな。
***
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