第1話

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*** 「ふーん。子供ねえ……。 私にはお前の方が聞き分けの悪い我儘に見えるが。」 ねえ、 知ってた? 麗峰を馬鹿にすると、イケナインダヨ。 「何この子!喋り方からおかしいし、気持ち悪ーい。」 「その甘ったるい喋り方寒気がする。まぁ、我儘で気分が悪いものが大人だと言うなら、私は、子供で十分だ。」 「はあ?わけわかんないけど。餓鬼の癖に。黙れや!ウザイ、キエロ、シネ」 ほーら。 結局、見かけだけの女。 「お前はそんな餓鬼と比べられて負けた。さぞかし悔しいだろうなぁ。だが、事実は事実。 残念だったね。オ・バ・サ・ン。」 女の顔が醜く歪む。 麗峰を馬鹿にしたものにはそれ相応の裁きを。 「あぁ、忘れていた。 私は中学生だが、麗峰家の主。餓鬼呼ばわりした事を悔やむんだな。」 絶望に満ちた表情、そう、その顔が観たかった。 *** 「高良。気分を良くさせようとしたところで、私は何とも思わないのだが。」 「あの表情がお嬢様はお好きなのだと思いましたので。」 「『好き』など思わない。 ただ、絶望に満ちた表情が一番人間らしく、美しい。 だが、高良。どうせコレだけが目的じゃないんだろう。」 「さすがお嬢様。ええ、これからが本題です。」 何となく…だが、 厄介事が起きそうな気がする。 「それにしても、高良に相手がいるとは思わなかったな。」 「いえ、あれはただのストーカーです。 本人はそうとは思ってないでしょうけど。何しろ、直接会って話したこともありません。お嬢様に危害を加えるか判断するのに接触をはかったのですが、このような事に。」 ?! ………………………………… 。 オソロシイナ。 ***
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