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「ふーん。子供ねえ……。
私にはお前の方が聞き分けの悪い我儘に見えるが。」
ねえ、
知ってた?
麗峰を馬鹿にすると、イケナインダヨ。
「何この子!喋り方からおかしいし、気持ち悪ーい。」
「その甘ったるい喋り方寒気がする。まぁ、我儘で気分が悪いものが大人だと言うなら、私は、子供で十分だ。」
「はあ?わけわかんないけど。餓鬼の癖に。黙れや!ウザイ、キエロ、シネ」
ほーら。
結局、見かけだけの女。
「お前はそんな餓鬼と比べられて負けた。さぞかし悔しいだろうなぁ。だが、事実は事実。
残念だったね。オ・バ・サ・ン。」
女の顔が醜く歪む。
麗峰を馬鹿にしたものにはそれ相応の裁きを。
「あぁ、忘れていた。
私は中学生だが、麗峰家の主。餓鬼呼ばわりした事を悔やむんだな。」
絶望に満ちた表情、そう、その顔が観たかった。
***
「高良。気分を良くさせようとしたところで、私は何とも思わないのだが。」
「あの表情がお嬢様はお好きなのだと思いましたので。」
「『好き』など思わない。
ただ、絶望に満ちた表情が一番人間らしく、美しい。
だが、高良。どうせコレだけが目的じゃないんだろう。」
「さすがお嬢様。ええ、これからが本題です。」
何となく…だが、
厄介事が起きそうな気がする。
「それにしても、高良に相手がいるとは思わなかったな。」
「いえ、あれはただのストーカーです。
本人はそうとは思ってないでしょうけど。何しろ、直接会って話したこともありません。お嬢様に危害を加えるか判断するのに接触をはかったのですが、このような事に。」
?!
…………………………………
。
オソロシイナ。
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