第1話

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「やめろ!」 気づけば、床に横たわっていた。 気持ち悪いオタクが上に乗った状態で。 重い。 起き上がれない。 あぁ、でも私は口が使えた。 さあ、どんな裁きがお好みかな。 「女性に猥褻行為、今の世の中、ただじゃ済まないだろうなぁ。」 「父さんがどうにかしてくれるから、大丈夫なんだよねぇ。」 「麗峰家に楯突くつもりか。まぁ、良い。中学生に暴行は、罪が重いだろうが。」 男は気味悪く笑った。 「俺は手を出さないよ。……ほら、愚民ども、餌だ。」 頭のイカレタ、老若男女が舐めるような目をして私の周りに群がった。 「僕、捕まりたくないもん。……そいつ等が捕まりゃあ、願ったり叶ったりだ。」 「その子、殺しはしないでね。僕のおもちゃになるんだから。……後は、好きにしていいよ。」 「君はね、1人では何も出来ないんだよ。だから、僕のおもちゃになるんだ。」 ヒトリデハ、ナニモデキナイ。 麗峰の瞳は色を遮り、闇に染まった。 「坊っちゃん、どんな裁きがお望みか。煮てやろうか、切り刻もうか、火炙りにしようか。」 さっきまで上に乗っていた男を縄できつく括りつけた。 そして、イカレタ頭の人間を処分する。 痛いか 辛いか 怖いか だか、生憎憐れむ心は持ち合わせていないもので。 人間の形をしてない物体が転がっているんだろうけど、 そこら中、血が流れているんだろうけど、 私には黒い塊しか見えない。 ふと、足からグニャとした感触が伝わる。 人でも踏んだのだろうか。 「ジャマ。イラナイ、コンナモノ。」 黒い塊の上に人が見えた。 あの、坊っちゃんか。 私の色を奪った責任は重い。 なぜか、どこからともなく、炎が現れた。 チロチロと可愛らしい音を立てて。 「ダメ!燃やさないで!!赤ちゃんが燃えちゃう。罪の無い赤ちゃんまで苦しめないで!」 目の前に男の子が現れた。 ***
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