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「やめろ!」
気づけば、床に横たわっていた。
気持ち悪いオタクが上に乗った状態で。
重い。
起き上がれない。
あぁ、でも私は口が使えた。
さあ、どんな裁きがお好みかな。
「女性に猥褻行為、今の世の中、ただじゃ済まないだろうなぁ。」
「父さんがどうにかしてくれるから、大丈夫なんだよねぇ。」
「麗峰家に楯突くつもりか。まぁ、良い。中学生に暴行は、罪が重いだろうが。」
男は気味悪く笑った。
「俺は手を出さないよ。……ほら、愚民ども、餌だ。」
頭のイカレタ、老若男女が舐めるような目をして私の周りに群がった。
「僕、捕まりたくないもん。……そいつ等が捕まりゃあ、願ったり叶ったりだ。」
「その子、殺しはしないでね。僕のおもちゃになるんだから。……後は、好きにしていいよ。」
「君はね、1人では何も出来ないんだよ。だから、僕のおもちゃになるんだ。」
ヒトリデハ、ナニモデキナイ。
麗峰の瞳は色を遮り、闇に染まった。
「坊っちゃん、どんな裁きがお望みか。煮てやろうか、切り刻もうか、火炙りにしようか。」
さっきまで上に乗っていた男を縄できつく括りつけた。
そして、イカレタ頭の人間を処分する。
痛いか
辛いか
怖いか
だか、生憎憐れむ心は持ち合わせていないもので。
人間の形をしてない物体が転がっているんだろうけど、
そこら中、血が流れているんだろうけど、
私には黒い塊しか見えない。
ふと、足からグニャとした感触が伝わる。
人でも踏んだのだろうか。
「ジャマ。イラナイ、コンナモノ。」
黒い塊の上に人が見えた。
あの、坊っちゃんか。
私の色を奪った責任は重い。
なぜか、どこからともなく、炎が現れた。
チロチロと可愛らしい音を立てて。
「ダメ!燃やさないで!!赤ちゃんが燃えちゃう。罪の無い赤ちゃんまで苦しめないで!」
目の前に男の子が現れた。
***
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