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「来たか。」
「ええ。山本様と、その秘書の方でしょう。」
「それで高良、この格好は何か意味があるのか。」
「そこら辺のイケメンより、かっこいいと思いますよ。」
なんで、女の私が男装なんて・・・・・・。
「もういい・・・・・・。一応、出迎えてやれ。ゆっくりお茶でも楽しもうと。」
***
「おお!これは、麗峰家のお坊ちゃんかな。」
「おはようございます。どうぞ此方へ。」
顔は麗峰家に忠実な犬のような顔してるが、腹の中は真っ黒だ。
どうやって麗峰家を手に入れようかという欲が渦巻いている。
「あれ?君のお父様は?話がしたいんだけどね。」
「私では、役不足でしょうか。」
「そうとは言ってないが、君はまだ子供だ。」
「ご主人様は、まだ中学生ではございますが、麗峰家当主の全ての仕事をこなしておられます。面談には、支障は無いかと。」
これを使う手はないとばかりに、山本の顔が悪巧みを考え出す。
「中学生で、大変だったね。今日だって学校を休んだんだろう。学校にはいった方がいい。どうだ、この山本に少し仕事を任せてくれないか。」
あまり長話をするつもりはない。
「それで、この麗峰家を乗っ取ろうと言う魂胆が見え透いているが。」
「…ほう、坊っちゃん、山本を敵に回すか。
……このクソガキが。
麗峰家との同盟は取り消しだ!」
腹の中をさらけ出したか。
「それは残念だが、仕方ない。取り消すのなら、この紙にサインを。」
山本は迷わず、文も読まずサインした。
「では、これで同盟は解消しました。山本家の使用人は全て麗峰家のものになったので。」
「何故そうなる!」
「同盟解消のその紙に書いてありますが。まあ、山本と手を切れたのは良かった。使用人にも選ばせてあげよう。山本に残るか、麗峰へ来るか。大概、麗峰家に来るだろうがな。」
「そんな訳あるか!山本に残るさ。坊っちゃん、解消した事後悔するなよ。」
「それは、こちらの台詞だ。同盟を組む事で無しにした、1兆2746億の借金、しっかり返してもらうからな。」
「ヒィッ!1兆2746億・・・・・・。同盟解消を無かっ」
「残念ながら、一度解消したものは
取り消せ無いので、よろしくお願いします。」
「・・・・・・ほんとに・・・中学生・・・・・・かよ。」
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