第1話

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*** 「なあ、なんでお前は不平不満を言わないんだ?」 やられたらやり返す。 苦痛を与えたならその何倍もの苦痛で返す。 何もおかしくは無い。世の中そんな物だ。 まあ、苦痛など感じないが。 「何故と言われましても。………ただ取り返しの付かないことをしてしまった事があるので、もうしない様にと心に決めているのです。 それに、私はお嬢様のお側にいさせていただければ、それで十分です。」 「その考え方は仏様並みの領域だな。だか、少しでも協力できることがあれば言え。いつも助けてもらってるからな。親切は親切で返すべきだろうから。」 とはいえ、親切な心など持ち合わせてはいないがな。 「では、お嬢様。一つお願いが。 今度の休日、御一緒に来て頂きたい所があります。」 「ああ、私に二言は無い。」 「では、よろしくお願い致します。」 ***
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