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誰かから、何処かから聞いた話。
都会から離れた山の中腹あたりにレンガ作りの建物があり、それは小さな図書館なんだそうだ。
だがいつ訪れても門は閉まっていて、中に入る事は出来ない。
そしてそんな話はいつの間にか都市伝説と言う形となってしまった。
今、その謎を解き明かそう。
静かにアナタは山へと足を進める。向かう先は当然ながら例の図書館だ。
土を踏みしめ、草を掻き分け、木々の間を縫うように歩き続けた結果、微かに見える空は赤く染まっていた。
だが成果はあった。
その証拠に、目の前には聞いた通りの外見をした建物が佇んでいる。これが恐らく図書館だろう。
しかしながら何処か違和感を感じる。
落ち葉が所々に落ちている灰色の屋根、薄汚れたレンガの壁……と、あるところに視線を向け納得したと同時に驚愕した。
………門が開いている。
思わぬ出来事に冷や汗がどっと出る。
だが此処まで来て戻る訳にもいかないと、アナタはおどおどしい動きで門の向こうのドアを叩いた。
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