生徒?先生?

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 ところ変わってここは妖界聯合艦隊第一航空艦隊旗艦の空母赤城。 それぞれ革の飛行服に身を包んだ師弟は、復座型の仙式零戦に乗り空から妖界巡りに出かけるのだ。 「瀬峰生徒。 気分が悪くなったらすぐに言え。 それと、操縦装置に絶対触るな」 「は、はい先生!」 数刻前とは打って変わって、仙式零戦の操縦席に座る武将はまるで別人である。 やがてさとり機付長率いる整備班員たちがエンジンを始動させると、愛-113号機は心地好い振動に包まれた。 因みに愛-113号機を受け持つ整備班は合計5名。 さとり機付長、子泣き爺一整曹、一反木綿ニ整曹、唐笠一整兵、化け狸一整兵という顔触れである。 武将の話に拠れば、子泣き爺一整曹は緊急停止時に妖界の誰よりも頼りになるとの事であった。 (こんな時はかっこいいのに…) 内心で呟く梨緒。 あれから女中頭の雪女に訳を話して分けてもらったお守りのお陰で、武将に胸のうちを読み取られる心配はない。 妖界の民としての格が、武将より雪女の方が遥かに上だからなのは言うまでもなかった。 やがて暖機運転も終わり、子泣き爺一整曹が高速回転するプロペラに注意しつつチョーク(車止め)を外す。 一反木綿ニ整曹がプロペラの巻き起こす気流に飛ばされそうになりながら、吹き流しの竿へと飛んで行くのが見えた。 唐笠一整兵が子泣き爺一整曹にしっかりと掴まっているのは言うまでもない。
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