梨緒。

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白い雲海原を遥か眼下に認めつつ、仙式零戦21型は順調に飛行を続ける。 因みに武将の話では、ニジュウイチ型ではなくニーイチ型と読むのが正しいとの事であった。 尤も梨緒に言わせれば、はい分かりました以外には答えようがないのだが。 (まさかゼロセンに乗るなんて…) 雪女のお守りを貰った今、梨緒は様々なことを内心で自由に呟く事が出来る。 梨緒は別にミリタリーファンという訳ではないのだが、ゼロセンについてはほんの少しだけ知っているのだ。 (そういえば… 鈴城先生は特攻隊で…) 内心でふと呟く梨緒。 やがて梨緒の心に、とある興味が持ち上がって来た。 梨緒の記憶が確かなら、中学校時代に歴史の先生が 特攻隊は強制だった …と言っていた覚えがある。 「鈴城先生」 「どうした瀬峰生徒?」 「先生は… 先生は強制されてアメリカの船に体当たりしたのですか?」
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