片道17分の恋

15/15
前へ
/341ページ
次へ
「ありがとう」  それだけ言うとあたしは音楽プレーヤーを受け取り、急いでドアを出た。  17分。電車が走り出してから17分間だけ。  たった4駅の間。  それでもその間、あたしと彼は同じ空間にいる。  同じ景色を見て、同じ空気を吸って、同じ気温を感じている。  ひんやり冷たい夜の空気の中を歩いていても、頬だけがずっと熱かったのは、何故だろう。 -fin-
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加