片道17分の恋
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あ、あたしだ。 窓が鏡みたいになって、電車の中を映している。 当然、あたしの目の前には、少しだけ透明になったあたしが、窓の表面に浮かびあがっていた。 眠ってしまって船を漕ぎ始めた彼の隣りに、影のあたし。 ……馬鹿みたい。 あたしは心の中でほんのちょっと笑った。 それは一瞬でも、彼の隣りにいる未来を考えたから。
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