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振り返り、階段を上ろうと手すりに手をかけた所で、上から視線を感じ、顔を上げた。
男の子?
道路を隔てるガードレールに15、6歳くらいの少年が腰かけていた。
いつの間にそこにいたんだろう?人の気配に気付かなかった。
車の往来すらない、静寂の中にその少年はじっと私を見つめていた。
不思議な少年だった。
彼は厚手のパーカーを着、フードをかぶっていた。
下はジーンズ、足元にはスニーカー。
地味な色合いの服装は夜に溶け込んでいた。
その辺にいるような普通の少年だけれど・・・
月明かりに照らされた彼の顔を見た時、思わず息を飲んだ。
透き通るような白い肌に銀色の髪、私を見つめる穏やかな瞳はうっすら赤かった。
彼を見つめたまま呆然としていると、そんな私の表情を見て、彼がくすりと笑った。
「お姉さん、この辺の人じゃないよね?」
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