真夜中のクルックポー

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そう言って、少年はペンダントを指差した。   「このペンダントの中に帰ってくるの?」   ・・・この子、何言ってるんだろう?と率直な疑問が湧く。 「そうだよ」と少年は屈託のない笑顔を見せた。   「ボクの星ではクルックポーっていうのさ」   「クルックポー?鳩のことを?」   「そうだよ」とまた少年は答えた。 「ボクの星」って・・・そういえば、さっきも「地球の言葉では」とかよく意味の解らないことを言っていた。 もしかして、自分が宇宙人だとか言い出したりして・・・   「星を見てみてよ、お姉さん」   彼は私の隣に座ると上を指差した。 彼の指差す方向へ顔を上げる。 「アンドロメダとぺガススが大きな四角を作っているんだ。秋の大四辺形だよ」 少年が夜空に向かって指でいびつな四角を描いた。
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