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「チッ。」
あ、いけね。舌打ちしちゃった。良い子の皆は聞かなかった事にしてね☆
「酷い~…舌打ちしなくてもいいじゃんかぁ…」
今にも垂れた耳と尻尾が生えてきそうだ。いや、生えちゃってる。
目の前の犬野郎は乾 流星(いぬい りゅうせい)。名前の通りコイツの異能は犬だ。ちなみに高校生。
元々鼻がよかったらしいがある日急に耳と尻尾が生えて本格的な犬になってしまい学校に行かなくなった。
そこで私がその能力を買ってスカウトしにいった。それが間違いだった。
以来こうして犬のように私に付きまとってくる。
「いい加減お嬢って呼ぶの止めなさいよ。流。他の皆も真似してる。」
「いいじゃん!何かさ、お嬢ってボスって感じするし!!」
私はため息をついた。こういう場合、私が折れた方が早い。
コイツはいい歳して精神年齢がそこらのガキ以下だ。バカで頑固。
私も頑固なもんだから最初はぶつかりまくったけど、今じゃ慣れたものだ。
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