2人きりの夜

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木戸先生の名前を呼び出そうとして手を止めた。 それを知っていたならどうして会ってすぐに言ってくれなかったんだろう。 すぐに言ってくれれば間に合ったかもしれないのに。 私のカキが……。 「俺とじゃ不満か?」 何その上から目線。 上司だけど。 絶対不満だって言われない自信がないと言えないセリフ。 「そんなわけないじゃないですか」 はい、そうですって言えるわけないし。 カキが……って言ってしまうのは子供っぽ過ぎる。 それにもし不満ならついて来ていない。 ある意味誘ったのは私のほうなんだから。 ここはとりあえず笑って誤魔化すしかない。 「それはよかった」 完全に確信犯。 普段ならまだ序の口のはずなのに、課長はもう酔っているの? .
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