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「そうか……」
興味がないのか、言えないと悟ったのか、そこでこの話は終了。
もうちょっと突っ込んで聞いてくれてもいいじゃない、って思うのは私の勝手な思いで。
課長が私にそれほど興味を持ってるわけないか。
弥生がいつも課長が私に気があるみたいなことを言うから、ちょっと期待しちゃった。
「この時間までこの辺りにいたってことは、また歯が痛み出したのか」
「違います。今日はネイルサロンに行ってきたんです」
チラリと淡いピンクのネイルを見せた。
少し大きめのストーンを一粒乗せただけでぐっと華やかになった。
思った以上に上品に仕上がってとても気に入っている。
しかも私は親知らずを抜いただけで、虫歯があったわけじゃない。
ただ内容は的外れだけど、小沢先生に行き当たるとは凄い洞察力。
「女性は大変だな、指先まで気を使うなんて」
「そうですか? 気分転換にもなりますから楽しいんですよ」
さすがに社会人として常識のある範囲でしか出来ないけど、月に1度の自分へのご褒美。
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