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巡査
「1ヵ月で8人……。なんでここ、死亡事故がこんなに多いんですか?」
刑事
「私に聞かないでくれ。サツ官やっててもう20年になるが、こんな事は初めてだ」
ここはとある都市のとある道路、ここでは頻繁に死亡事故が起きている。
最初の事故が起きたのは3年前、トラックに老婆が轢かれて死んだ。
そこから事故が起こり続けるようになり、今に至る。
周囲の住民の間では、「老婆が事故を引き起こして道連れにしようとしている」という噂が流れていた。
最初は信じていなかった者も、これほどまでに人が死んでいては疑いようがなくなり、今では信じていない者など1人も居なかった。
巡査
「やっぱりあれですかね?老婆の亡霊が引きずり込んでるって―」
刑事
「そんなわけがあるものか!その謎を解き明かし、事故を防ぐのが俺たちの仕事だろうが!」
そうは言っているが、この刑事も内心は霊の仕業だと思っていた。
しかし、それを認めてしまったら自分の中で何かが崩れてしまう、そんな気がして認められないのだ。
刑事
「何か手がかりでも見つかれば、事故を未然に防げ―」
ドグシャッ
巡査
「うわあああっ?!」
刑事は、歩道に乗り上げた大型のトラックと建物に挟まれ、潰されて死んだ。
衝突のショックで死んだ運転手と合わせて、今月の死者数は10人となった。
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