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さて、リンが武器を変え、さあいざ戦おうとしたときだった。
「ねえマゼンダ。ブロントじゃ相手にならないからマゼンダが相手してくれないかな?」
……せっかく休めると思ったのに……
やれやれとため息をつきながら腰についている二つの書のうちの一つをスッと取り出す。
雷の書。私が一番苦手とする書だ。
雷の書は……雷でできた鳥を使って戦うのだが……私はどうもこういう召喚したモンスターを操るというのがだめなようで。
昔、雷の書で召喚した鳥を木に体当たりさせて『野原』を『焼け焦げた野原』に変身させてしまった過去がある……
「ティンク……覚悟しててね!『いでよ、雷梟(らいきょう)!』」
バチバチと音を立てながら雷の書から雷をまとった梟が飛び出す。
梟は翼を羽ばたかせてティンクのほうに雷の玉のようなものをものすごいスピードで飛ばす。
ティンクはその玉から自分自身を守ろうと必死にメテオを発射させて雷の玉を潰してゆく。
そんな白熱した戦いには目もくれず、皆が皆自分達の戦いに夢中になっているからね。
こんなにはっちゃけた戦いは久しぶりだから、皆楽しんでいるのだよね。
マゼンダははっきり言ってしまえばホッとしていた。
前回出してしまった鳥が鷹……そのせいだったのか、大きな雷が落ちてしまったのだ。
だが、今回は比較的小さな鳥でよかった。マゼンダが雷の書で召喚するときは意識が残っていないので何を召喚するか分からない……つまりランダムなのだ。
ちなみに、召喚したものを返すときには書を閉じてしまえばいい。
「マゼンダァアア!私の負けでいい!このままじゃぶっ倒れちまうからこの鳥閉まってくれ!」
「はいよ!『雷梟、ご苦労であった』」
パタンと、書を閉じる。と、同時にティンクとマゼンダ。二人してその場に座り込む。
二人とも魔力の使い過ぎというやつだ。
でも、いくらはっちゃけているとはいえ、此処までやることは無いだろう……
そう、休んでいたブロントは思った。
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