第一章 此処は特別。俺達の城!

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「二人とも朝から元気がいいですね。おはようございます」 にっこりと笑い、私たちの後ろから一人、現れる。 彼は『奏琴 ルファ』一言で説明してしまえばナルシスト。 彼もまた、私と同じように忘れられてしまった。 否、あそこへ向かおうとしている者はみな、此処から忘れ去られてしまった人たちである。 ルファは、美しい白い肌とは反対に、真っ赤に輝く椿の花を持っていた。 彼の大好きな花なのだ。正確に言えば、椿の花言葉がすきなのだ。 椿の花言葉……『申し分ない魅力』。まさにルファにぴったりである。 「ルファか。元気じゃないぞ。俺が一人で元気なだけだ」 「そのとおりだね。私はその巻き添え食らっておでこ腫れちゃったし」 「おやおや。クロウ君が何とかしてくれるんじゃありませんかね。彼は何かと貴女に世話を妬きたがるから」 「……ソウデスネ」 それでも、私はクロウが嫌いではない。 むしろ好きなほうにはいると思う。 人は、恋をして大人になっていくのさ…… そんなこと話しながら、図書館のほうへと向かっていく。 私たちの2-3は、図書室の中……奥深く。 本当に見つかりにくいところにあるのだ。
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