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図書館の奥底。目立たないところにある一つの扉。
扉の上には『第二保健室』という文字。私たちが此処にきたときには、もう誰もいなかった。
あったのは、11個の机。そして2-3と書かれていた黒板だけ。
けれど、私たちは自分達の個性を合わせていろいろなものを作り上げていった。
それをいちいち説明していくと読者の方々がうんざりすること間違い無しなので省略しておく。
図書館の扉を開けると、このなんともいえない古い本の匂いがフワリと届く。
この匂いは嫌いじゃない。色に例えるというならば小麦色……なんとも暖かい匂い。
「おや、ティンクがあそこで倒れていますね」
「いつものことでしょ。叩き起こすか背負って連れて行くかしないと、あいつらに踏まれてメテオ発射するよ」
「そうですね……それは叩き起こしても同じだと思われますが。
じゃあミドリ、背負っていってくださいね。僕は椿の花持ってるんでね」
「……お前は椿持って無くても背負いたがらねーじゃねーか。このナルシストめ……」
ミドリが小声でぶつぶつと文句言いながらもティンクを背負い、また歩き出す。
ルファは聞こえてるんだか聞こえていないんだか分からないけどニコニコしている。いつものことだ。
さて、第二保健室の扉の前まで来たはいいが、中から凄い怒鳴り声が聞こえてくる。
どうやら二人の者が争っているようだ。この声からすると……ブルースとテミか。
はぁぁあ……ブルース、お前いったい何したんだよ……
ガチャリ、と扉を開ければ、ほとんど使わない机を引っ張り出してその机にバンと手を突いて討論しているテミとブルースが。
「ですからね!私の大切に育ててきたお花たちを花占いに使うなといくら言えば宜しいのですか!?」
「うるさいなぁ!こんな花、そこらへんにいくらでも生えてるじゃないか。一本ぐらいいいだろーがよ……」
「よ・く・あ・り・ま・せ・ん!!すべてがすべて、命があるのですよ!」
……上の会話を見れば、どんな内容で討論していたかお分かりになると思います。
朝っぱらからそんなにわめき散らすなよ……ティンクが起きちゃうじゃない……
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