落された闇

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けれどスカートに浸みて来た 氷水のあまりの冷たさに ハッと我に返る。 「あのっ、だ…大丈夫ですから」 「いや、 こんなに濡らしてしまって… 本当に申し訳ない…。 ああ、そうだ僕はこのホテルに 長期滞在で部屋を取っているので ドライヤーで乾かしましょう」 真面目な顔でそう言った 朝日奈さんに慌てて両手を振って 必死に断る。 「いえ、本当に大丈夫なので ご心配なさらずに…」 「ダメです。 このままでは風邪を 引いてしまうかも しれませんから」 スカートが濡れた程度で 風邪なんて引かないし… と言う突っ込みをしたくても クライアントである以上は そんな事は当然言えなくて。
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