疑心暗鬼

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「話したい事ってそれだけ?」 もうこれ以上香織の 泣いている顔を見つめていたら 俺が崩壊しそうで限界だった。 『遥斗にとっての私って何?』 スピーカーから聞こえて来た 香織の声は微かに震えていて それがなおさら俺の胸を 締め付けて行く。 「一番幸せにしたい女」 そう言って微笑んだ俺を 画面の向こうで彼女は どう感じているんだろう。 触れ合う事も出来ない 画面越しの俺と香織の 思いがこのネット回線と言う フィルターを通す事によって 全て伝え合う事は恐らく無理なんだ。
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