二人の壁

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私の言葉をじっと黙って 聞いていた遥斗は ふうっと大きく息をつく。 けれど何も言葉が出て来ないのは そんな事を怒ってるんじゃなくて たぶん遥斗は朝日奈さんと 再会する覚悟をするために 必死なんだと思う。 相変らず不安そうに揺れる 色素の薄い瞳に私は静かに頷いて 彼の手を握りしめた。 「だけど私は… ずっと遥斗の傍にいるから。 だからもう怖がらないで。 朝日奈さんは… あなたから私を 奪ったりなんかしないし …私は最期に… 必ずあなたの名を呼ぶから」 「…香織…」  
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