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「前島さん…
ひとつだけ俺が君に
言ってあげれるとしたらだけど…
東雲は冬木部長とは違うよ。
冬木部長との恋は…
自分の本音をぶつける事が
出来なかっただろうけど…
東雲にはその思いを
全部正直に伝えても
アイツは受け止めてくれると思う。
それとね…
東雲は自分の思いを正直に
ぶつけた事で沙織を失ったから…
前島さんの思いを優先に
考え過ぎて…
先に進めずにいる部分もあると思う。
勇気を出して飾らないままの
自分で東雲と向き合うべきだと
俺は思うけどな」
「…小野さん…」
「もっとさ…
お互い本音で向き合わなきゃ。
年齢的にも感情だけじゃ
動けないのは俺も解るけど…
本当に大切なものは
失って初めて気づく…なんてさ
そんなの負け惜しみの言葉で
本当に大切なら…
失っちゃダメなんだよ」
ふわりと笑った小野さんの言葉が
私の胸にズキズキと刺さった。
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