心の距離

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私の言葉をじっと聞いていた彼は しばし考えた後、 ゆっくりと言葉を紡ぐ。 『…香織がそれで 本当にいいと思えるなら 俺は反対はしないけど… 良く考えて。 香織の才能なら確かに どこでもこの仕事が 出来るだろうけど… 後悔だけはさせたくない』 彼の言葉がズキンと胸に刺さった。 遥斗を失いたくない… だけど日本で仕事も続けたい。 それが今までの私の本音だった事を 遥斗は誰よりも理解しているから きっと彼は私のために この言葉をくれたんだ…。 小野さんが言うように… 自分の本音を奥底に隠して…。 彼の本音… それを聞き出したくて 私は質問をぶつけた。 「遥斗は… 不安にならない?」 『うん?』
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